事前にレーシックで使用可能な給付金を確認しておきましょう
事前にレーシックで使用可能な給付金を確認しておきましょうブログ:12 11 22
当時の俺は、
とある都市の大きな企業に勤め、マンションで一人暮らし。
ごく稀に母親が田舎から俺のもとを訪ねることがあった。
おいしいものを食べに行こうという俺に、
母親は親子水入らずで、のんびり部屋で過ごしたいと
わざわざ重たい野菜を抱えてやってくる…
ある日、仕事から帰った俺は、
オートロックのロビーから部屋いる母親に
「ただいま。あけてー」
インターホン越しに呼びかけた。
ところが、母親からの返事はなく、
マンション中に非常ベルの音が響き渡った。
母親が部屋の開錠ボタンと非常ボタンを押し間違えたのだ。
ロビーで頭を抱える俺のもとへ、
青ざめた母親がやってきた。
俺は恥ずかしさのあまり母親をひどく責めた。
騒動の後、部屋には
母親が作った夕飯のにおいが立ち込めていた。
田舎から持ってきた野菜の和え物、
帰るタイミングにあわせて焼かれたであろう焼き魚、
細かく刻まれた葱の浮かんだ味噌汁に、揃えられた二人分の箸…
ショックの余り俯いて手をつけない母親をよそに、
気まずい中、冷めた料理を俺は黙って食べた。
あれから俺も二児の母親になり、
7~8年たった今になって
あの出来事を頻繁に思い出すようになった。
恥ずかしいのは母親ではなく、
つまらない見栄で
かけがえの無い時間を台無しにした俺だった。
今さらと思いつつも母親に言った。
「お母さん、あの時ごめんね」
意に反し、母親はその時の恐怖を、
近くにいたお兄さんと笑い話のネタにしてケラケラ笑っていた。
俺が責めたことなど忘れているようにみえた。
それでも、母親を思う時、
俺は真っ先にあの出来事を思い出す。
そして
「大したことないよ」
そう言えなかった自分を悔やみ続けると思う。
あの日の冷めてしまった母親の手料理の味とともに…